金型を使わない鋳造試作「石膏鋳造」
今回ご紹介する工法は「石膏鋳造」です。
ダイカストによる量産品と同程度の品質なので、量産前の試作品としてご利用いただけます。
目次
Q. 「石膏鋳造」とは、どのような技術ですか?
金型を使用せず、鋳型に石膏を用いて鋳造を行う工法です。プラスターモールドとも呼ばれています。
Q. 「石膏鋳造」の特徴を教えてください。
金型ダイカスト同等の精度(JIS CT7等級)、面粗度で鋳造できます!
形状によっては短納期・低コストの実現が可能です。砂型と比べて、薄肉品の鋳造にも向いていますよ。
成形工程は、以下の①から⑥の手順になります。
①マスターモデル 製作
②一次型(反転型) 製作
③二次型(反転型) 製作
④石膏型 製作
⑤注湯
⑥仕上げ
Q. どういった用途で利用されますか?
用途としては、金型ダイカスト品の量産前の試作品やレース部品で数多くご利用頂いております。
自動車部品(二輪・四輪)でも活用いただくことが多いです。
Q. サービス提供する際に、留意されていることはございますか?
鋳造する際の方案や条件は、形状やサイズによって異なります。
そのため、鋳造品そのものの実際の使われ方や目的、重要な箇所はしっかりと確認するようにしています。
Q. 製造工程で苦労していることはございますか?
試作は短納期が当たり前なので、鋳造案件では試鋳(トライ)できない場合がほとんどです。
流動解析も導入していますが、方案検討はこれまでの経験に頼ることが多いです。一発勝負なので、方案検討には気を使います。
製造工程は機械化できない作業が多いため、品質を一定に保つことが重要です。
Q. 「石膏鋳造」のメリットは? ズバリ教えてください!
ダイカスト同等の鋳肌、強度で製作することができ、量産前に量産に近い形で試作することができることです!
Q. 最後に、今後の展望を教えてください。
自動車分野には数多くの試作部品をご提供してきましたが、他の分野にも広げていきたいと考えています。
2019.11.26
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