これからの光造形システム
3Dプリンターの歴史は光造形3Dプリンターから始まっていますが、今もなお、進化し続けています。それに伴い、利用できるプラスチック素材も増えてきており、これからも活用範囲が広がっていくことが期待されています。
前回に引き続き、これからの光造形について、株式会社ディーメック 営業部 高野様からお話を伺いました。
進化した光造形3Dプリンター
― 御社で開発されている光造形3Dプリンターについて、最近の動向など教えてください。
高野氏 DMEC光造形3Dプリンターのラインアップは、現在、BA-85S®とBA-45S®の2種類になります。
BA-85S®は、造形サイズが最大850×650×500(単位:mm)です。3Dプリンターの中では大型造形ができる装置の代表格です。大サイズモデルの造形は勿論ですが、中小サイズの多品種モデルを、一気に同時造形することができる効率性の高い装置となります。
一方、BA-45S®の造形サイズは最大450×430×300(単位:mm)です。装置全体が比較的コンパクトに設計されていますので、大変扱いやすいレギュラーサイズ装置としてユーザー様よりご好評を頂いております。
最近では、造形機に併せて造形ソフトやデータ編集ソフトを採用することで、より高精細でなめらかな造形が可能となっています。
― 3Dプリンターでの造形というと、素材自体が限定されてしまうといった課題もあったかと思いますが、どのような素材での造形が可能でしょうか。
高野氏 素材についてですが、2018年から非劇物(アンチモンフリー)+非危険物の2グレードを上市しました。
靱性・耐熱性バランスグレードのSCR®739と高透明・高耐熱を特徴とするSCR®786です。従来の素材ラインアップにこれらが加わり、より用途に応じた選択が可能になりました。
光造形システムの今後のビジョン
― ありがとうございます。今後期待しているプランなどあればお聞かせください。
高野氏 欧米で近年脚光を浴びているDSM社製のPerFORM®という高剛性・高耐熱樹脂の日本市場での本格デビューを目指し、弊社の筑波モデリングセンターで造形の検証を開始しています。その特性から、より高機能な試作評価、インサート成形用のプラスチック、さらにサービスパーツ、治具などの実製品の用途まで、光造形技術の用途の幅を広げる可能性を持っております。ご期待ください。
【お問合せ先】
株式会社ディーメック
営業部 高野 克俊様
URL http://www.d-mec.co.jp/